ファブリフォーム®
- ファブリフォーム®工法とは
- 高強度合成繊維布製型わく(Fabric form)に流動性コンクリートまたはモルタルをポンプで圧入するコンクリート体成形法です。 型わくが透水性であるためコンクリート混練水の余剰分は注入圧力によって絞り出され、水・セメント比(W/C)が低下しますので 硬化時間を早め高密度・高強度のコンクリート硬化体が得られます。
- ファブリフォーム®工法には
- 河川・海岸の護岸及び根固め工、水中部の洗掘防止工・護床工などのマット工法と、港湾構造物の基礎根固め工としてのファブリキャスト工法があります。
- ファブリフォーム®の特長
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- 設計図に基づき、工場で製作されたマットにコンクリート注入するため、従来の現場打ちコンクリートやプレキャストブロック工に比べ少人数、短時間で施工ができます。
- 水中施工が可能なので切替え工事、止水工事が不要となり工期の短縮、経済性にも優れた効果を発揮します。
- 勾配の異なった複雑な斜面にも良く馴染み、均一な厚みが得られます。
- ポンプによる加圧注入のため、斜面・平坦部にかかわらず広範囲の面積を一度に押さえます。
- 型わくが軽量なので安全な施工ができ、運搬・保管が容易です。
- 水・セメント比が著しく低下するので、特に初期強度が高く、養生期間が短縮されます。
マットの種類
- フィルターポイント (FP)マット
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上下二層の繊維の一部分(ポイント)を一層に織込み、強力なフィルターにしたマットです。 フィルターポイントはのり面表層の浸透水を排出する水抜孔の役割りをしますので、のり面の安定に著しい効果を発揮します。
- ノンフィルター (NF)マット
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上下二層の繊維をドロップステッチ状に織り、一層の部分をなくした遮水型マットです。 NF50:上下層は緻密に結ばれ、モルタル圧入後は畳表状の平滑な盤面を形成します。 NF100・NF150:ドロップステッチの個所を部分的にまとめ仕上り後の盤面は起伏のある格子模様を形成します。
- コンクリート (CX)マット
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FP型・NF型がスラリー状のモルタルを圧入し比較的に薄いコンクリート盤を形成するのに対して、 CX型はそれぞれの版厚により10mmから25mmの粗骨材を混入した流動性コンクリートを圧入し、厚み・重量のある高強度のコンクリート盤に仕上げます。
- ロープジョイント (RJ-F・RJ-N)マット
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剛タイプである FP型やNF型マットに縫製加工でタテ、ヨコに一層部を形成してブロック化し、強靭なロープで連接したものです。
- 護岸緑化 (GP)マット
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上下二層の繊維の一部分を 一層に織り込み、その一層部にあらかじめ工場にてスリット(GP)を設け、 吸い出し防止材(不織布)を併用して使用することにより、従来のファブリフォームの護岸機能+α(植生機能)を持ちわせた自然に優しい環境護岸です。
施工順序
- ①施工場所の整備と整形
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- 基本設計図に基づき勾配、のり長、延長距離その他を確認する。
(土質、勾配によってはあらかじめのり留擁壁を設置する。) - のり面、天端、小段および張出し部など施工面上の石塊、木根、番線屑などマットの損傷の要因となる突起物を除去し(三面張りの際は河床部も同じ)充分な締固めを行う。
- マットの割付図に基づき丁張りまたは指標を設置する。
- のり尻根入れ溝、のり面上流・下流端部の巻込み溝を掘削する。
- 基本設計図に基づき勾配、のり長、延長距離その他を確認する。
- ②マットの敷設
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- のり面天端に、のり肩から所定の距離をおいて法線と平行となるよう約2m間隔でマット懸垂用支持杭を打設する。
- 支持杭に単管などを抱かせ番線で固定し、所定の位置にレバーブロックを取付ける。
- 敷設は、小段を伴う二段以上ののり面保護工の場合は最下段からおこなう。河川改修および急傾斜山腹水路工でドライ施工の場合は下流側から敷設する。
- 割付図とマット番号を照合し、順にマットをひろげ上部パイプ通しに単管を挿入したのちマット収縮分をたるませ乍ら縫巾毎に単管とマットを番線等で固定する。
- ③コンクリート圧送
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- 本工法は特にコンクリート(又はモルタル)の流動性を要求されるため、あらかじめプラントと入念な打合せを行い、所定の配合(特に水・セメント比、細骨材率、スランプ・フロー値)を確認しておく。
- コンクリートポンプ車(モルタル使用の場合はスクイーズ型が最適)
- 配管4吋 振回しホース モルタル注入の場合、絞り管(4吋→2吋テーパー管)を使用し先端は2吋の耐圧ホース約20mで注入する。 ブーム車使用について ポンプ位置と施工場所に障害物又は足場の悪い個所のある場合のほか、各マットの注入口に ブームが届く場合は特に効果がある。
- ④マットへの注入
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- 各マットは通常延長方向約10m程度を一枚として製作され、のり勾配、平坦部分(張出し部、床盤部)などの状況によって数ヶ所の注入口が取付けられている。
- 注入の際は敷設順に従い、低い位置、構造物に近い位置の注入口から注入する。
- のり面での注入は、コンクリート注入面が均一に上昇するように各注入口を使用し、充分圧入したのち順次高い位置の注入口から注入する。
- 隣接のマットと交互に注入すると打設効率が良くなるが一日の注入量、休憩時間などを充分に考慮して打継ぎ目の出来無いように注意する。
- ⑤仕上・完成
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- 仕上げ コンクリート打設後、表面洗浄、間詰め(硬練りコンクリート)、埋度し(土砂、栗石、根固めブロックなど)をおこなう。
- 養生 通常の現場打ちコンクリート養生に準ずる。
- 法面整形
- ファブリフォームマット敷設
- モルタル注入
- 水洗い
- 厚み管理
- 完成写真
マットの種類と主な用途
施工写真
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