ジオウエッブ
- ジオウエッブは、短工期・簡単施工で様々な現場環境にも適合し、総工事費を低減できます。
- ジオウエッブは耐久性に優れた高密度ポリエチレン(HDPE)板を高周波で連続した立体ハニカム状に圧着し、セル構造に充填材を詰めることにより強度のある構造体となります。 ジオウエッブは軽量でフレキシブルなため、施工が容易で、法面の保護、河川の護岸、路盤の支持力向上擁壁工等、様々な用途で効果を発揮します。
ジオウエッブの特長
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- 1 軽量・コンパクト
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ジオウエッブは軽量・コンパクトなので保管に便利で、現場への搬入は人力による小運搬も可能です。
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- 2 簡単施工
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施工法は展開・充填・転圧の繰り返し作業で、施工期間が短縮できるので、災害復旧や狭小な現場での施工に効果を発揮します。
また、階段状に積めば、擁壁として使用できます。
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- 3 フレキシブル構造、多種多様な充填材料
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素材は耐久性、柔軟性に優れた高密度ポリエチレン(HDPE)のハニカム構造なため、現場の形状に合わせた施工が可能です。
また充填材料は設計目的により土壌、石材、コンクリートと様々な材料が使用できます。
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- 4 在来種による緑化が図れます
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前面セル内に現地の種子入表土を充填すれば、在来種による緑化が図れます。
積層積みの擁壁として設置した場合、ポケット部に現地の種子が飛来して在来種による緑化が図れます。
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- 5 幅広い適用工種
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法面保護、植生擁壁、護岸/水路法覆工、路盤の支持力補強と様々な用途に適用するため、セルの大きさはS・M・Lの3種類、
セル高さ(深さ)は75mm~300mmまで製品ラインナップしております。
法面保護工の特長・効果
- 敷設は法勾配1:0.8より緩勾配の法面(充填材の仕様により異なります)
- 充填材には土壌、石材、コンクリート、リサイクル材など現場に合わせて選択できます。
- 法面形状に追随して設置が可能です。
- 充填材がセルに拘束される事で表層の侵食が抑止され植生にも適しています。
- 施工法は、展開&固定用アンカー打設、立体ハニカム構の展張、充填材の投入&整形と工種が少ないため、工期短縮が図れます。
- アンカー打設できない防水層の押さえ工では、セル内部にテンションテープ&専用留め具を併用すれば防水層を傷つけず設置可能です。
- 展開用アンカーが打設できない場合(防水シート等の上層部施工)
- テンションテープをセル内部のlスロット孔に通し、勾配を考慮したピッチでアトラクリップにて開口寸法を制御する事で、セル展開用アンカーが不要となります。 (天端でのテンションテープ固定方法の検討が別途必要です)
- アトラクリップ(連結用アクセサリー)
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法面との密着性を高めるには、アトラクリップを鉄筋(D13)に装着し、地盤面へ打設する事を推奨します。
- アトラキーライト(連結用アクセサリー)
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セル連結にアトラキーライトを使用すればセルが一体型となり、展開用アンカーの増し打ちが不要です。
また、現場での寸法カットした本体を有効活用できます。
- 法面災害復旧工事
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[タイプ] L100 [勾配] 1:1.3 [法長] 9m [充填材] 発生土
- ● 東北地方太平洋沖地震により崩壊した法面の復旧工事
- ● 表層には植生シートを敷設
- 法面災害復旧工事
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[タイプ] L100 [勾配] 1:1.5 [法長] 6m [充填材] 発生土
- ● 新潟中越地震により崩壊した法面の復旧工事
- ● 総工事費が安価な工法であるということで使用
- 大学キャンパス内法面保護工事
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[タイプ] R3-S [勾配] 1:1.3 [法長] 6.4m
[充填材] 壁面1セルは発生土、背面2セルは砕石- ● 法面の安定を重視し、擁壁タイプを使用
- ● 東北地方太平洋沖地震では、コンクリート側溝は破損してもジオウエッブは全く損傷無し。
- 造成工事での法面工
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[タイプ] M150 [勾配] 1:1.0 [法長] 10m [充填材] 発生土
- ● 地盤が固い切り土での事例
- ● セル展張用アンカーが打設できないため、テンションテープにて固定
- 造成工事での法面工
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[タイプ] M100 [勾配] 1:0.8~1.0 [法長] 7m [充填材] 粘性土
- ● 某公園内の法面工事
- ● 急勾配での植生基盤の固定
- 法面改修工事での法面工
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[タイプ] L100 [勾配] 1:1.0 [法長] 14m [充填材] 粘性土
- ● 充填材に粘性土を使用し自然植生
護岸工(ため池/調整池・水路・河川法面)の特長・効果
- 施工法は法面保護工と同様となります。
- 流速が緩やかな河川・水路や調整池の法面では、土壌の充填による植生護岸、または石材の充填による自然石護岸といった多自然型工法として使用できます。
- 流速に対応した護岸工として、コンクリートや石材の充填も可能です。
- 柔軟性に優れた製品なので、自然な曲線的護岸や、法面形状に追随した仕上げができ、軟弱な地盤でも追随性に優れております。
- 軽量・コンパクトな商品なので、コンクリート製品の搬入及び施工が困難な橋梁下部・狭小な場所でも設置可能です。
- 災害発生時の緊急を要する護岸処理でもスピーディーな施工が可能です。
- 下地盤との密着性を高める為に、セル内部にテンションテープを通し、アトラクリップ装着アンカーで打設すれば、張力の効いた地盤面への固定が可能です。
- 割り付け敷設したジオウエッブ接続部をテンションテープやアトラキーで連結する事で、水際に強い一体型の面構成が可能です。
- ため池/調整池での法面護岸
- 河川での法面護岸
- 全面張りでの法面護岸
- 充填剤
- 擁壁タイプでの水路施工事例
- 河川堤防補強工事
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[タイプ] L300 [勾配] 1:1.8 [法長] 15m
[充填材] 発生土浚渫土砂・割り栗石- ● 堤防の裏法面部への越流対策工
- ● 表層は覆土+植生仕上げ、ジオウエッブ下面には不織布を敷設
- ● 河口に近い堤防でもジオウエッブは塩害による腐食がない
- ● ジオウエッブ工は工期短縮が可能
- 河川改修工事
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[タイプ] L150 [勾配] 1:1.5 [法長] 10m
[充填材] 架橋下部=割栗石、法面部=発生土+張芝- ● 法尻部の水際には充填材の流出防止に、ヤシ植生ロールを設置
- 河川切換え工事
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[タイプ] L100 [面積] 320㎡ [充填材] 上部=発生土、下部=コンクリート
- ● 水路上部の充填材は発生土にて植生
- ● 水路下部の充填材はコンクリート
- 橋台・既設護岸岸擦付け擁壁工事
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[タイプ] R3-S [勾配] 1:1.0~0.5
[充填材] 砕石+擁壁側セル上面へコンクリート塗布- ● 法面の勾配変化1:1.0~0.5に対応した事例
- ● 表面セルの上面からの充填材流出防止にコンクリートを塗布
- 調整池築造工事
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[タイプ] M100 [勾配] 1:1.5 [法長] 7m [充填材] 再生クラッシャーラン
- ● ジオウエッブ下面には遮水機能材にベントナイトシート(G.C.L.)を敷設
- ため池改修工事
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[タイプ] L100 [勾配] 1:1.8 [法長] 11m [充填材] 単粒度砕石
- ● 砕石による自然な景観仕上げ
- ● 水際の砕石流出を考慮し単粒度砕石を充填
- ● ジオウエッブ下面には不織布を敷設
路盤・支持力補強工の特長・効果
- ジオウエッブと拘束した充填材との相乗効果により、車両の輪荷重を分散させる効果を形成します。
- 地耐力の少ない地盤においても大きな荷重を載荷することができます。
- ジオウエッブと充填材を組み合わせた支持力増加の効果により、路盤の砕石層厚さが低減でき、砕石量を抑えることが可能となります。
- 工事車両用の仮設道路や斜路、または山間部路面のわだち掘れ、路盤砕石の流出、不等沈下を防止できます。
- 災害発生時の早急な道路復旧に効果を発揮します。
- 従来の砕石路盤
- ジオウエッブによる補強路盤
- ジオウエッブ表面のエンボス(凹凸)形状と孔部の効果
- 路盤厚・路盤砕石量の低減効果
- 路盤改良工事
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[タイプ] M150 [面積] 800㎡ [充填材] 砕石
- ● 工事用仮設道路での敷鉄板設置の代替として使用
- ● 2年間の利用では敷鉄板より安価と評価
- ● ジオウエッブの下面には不織布AK-200を敷設
- 地盤改良工事
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[タイプ] M150 [面積] 800㎡ [道路側] 4.5m [道路勾配] 6%
[充填材] 砕石- ● 工事用仮設道路での敷鉄板設置の代用として使用
- ● 斜路のため、敷鉄板では車両が降雨時に滑る事を懸念
- ● ジオウエッブ+砕石充填で雨水を浸透&排水させ走行車両の安全性を向上
- ● ジオウエッブの下面には不織布AK-300を敷設
- 河川遊水地土砂整正工事(施工中)
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[タイプ] M150 [面積] 5,600㎡ [道路側] 3m [充填材] 砕石
- ● 堤防上の工事用舗装(アスファルト)道路で使用
- ● 重車両の通行によるわだち掘れ防止や、アスファルトのクラック防止
- ● ジオウエッブの下面には不織布AK-300を敷設
- 堤防強化工事
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[タイプ] M150 [面積] 770㎡ [道路側] 7m [道路勾配] 10%
[充填材] 砕石- ● 堤防斜路にて、工事用道路の敷鉄板設置の代替として使用
- ● ジオウエッブに砕石を充填し雨水の浸透&排水させ走行の安全を向上
- ● ジオウエッブの下面には不織布AK-300を敷設
- 砂防堰堤工事での路盤工
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[タイプ] L100 [面積] 300㎡ [道路側] 5m [道路勾配] 15~18%
[充填材] クラッシャーラン- ● 工事用道路の斜路にて使用
- ● わだち掘れ防止と、雨水による砕石の流出防止
- ● 支持地盤が安定していたので、L100を使用
- 鉄道の線路下部補強工事
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[タイプ] S200 [面積] 40㎡ [充填材] バラスト砕石
- ● 橋梁の踏みかけ板との段差防止に使用
- ● 夜間の短時間施工が可能
擁壁工の特長・効果
- 展開したジオウエッブに砕石、土壌(全面セルのみ)を充填しながら階段状に積み上げるだけの簡単な工法です。
- フレキシブルで柔軟な構造により、耐震性能にも優れた擁壁構造体が構築できます。
- 法勾配 1:0.1より緩勾配で使用できます。
- 壁高 最大8mまで使用できます。(※注:現場条件により異なります。)
- 曲線部の施工や勾配の変化にも対応できます。
- 軽量・コンパクトなので、現場での運搬や設置が容易です。
- 前面側セルに植生可能な土壌を使用すれば、緑化が可能です。
- 災害による小規模斜面崩壊現場にも適しています。
- 道路改良工事
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[タイプ] R3-G [面積] 225㎡ [勾配] 1:0.5 [直高] 3m [充填材] 砂質土
- ● 道路横断ボックスカルバートの取付け擁壁に使用
- 市道改良工事
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[タイプ] R3-G [面積] 325㎡ [勾配] 1:0.5 [直高] 5m
[充填材] C40・上部3段コンクリート- ● 用地制限により、下部はスクラムウォール(補強土壁コンクリートパネル工法)を施工し、上部にジオウエッブを施工した事例
- 災害復旧工事
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[タイプ] R3-S [勾配] 1:0.5 [直高] 8.4m [充填材] 砕石
- ● 豪雨により表層崩壊が発生した災害現場での事例
- 災害復旧工事
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[タイプ] R3-G [面積] 82㎡ [勾配] 1:0.5 [直高] 3m [充填材] RC-40
- ● 狭小な場所での施工事例
- 道路維持(法面補修)工事
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[タイプ] R3-G [面積] 130㎡ [勾配] 1:1.0 [直高] 5.4m [充填材] 砕石
- ● 東北地方太平洋沖地震後に施工
- ● 周囲に緑が多い環境に配慮し、壁面セルはグリーン色仕様
- 砂防工事
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[タイプ] R3-S [面積] 300㎡ [勾配] 1:0.5 [直高] 5m
[充填材] RC+発生土(壁面側セル)- ● 工期短縮可能なジオウエッブへ設計変更
その他の施工事例
- 多機能盛土工法
- ジオウエッブ擁壁の覆土厚により、セル表面の放射線量は周辺線量と同等もしくはそれ以下に低下させた事例です。 当工法は、目に見える形状で安全に保管状態を管理できます。 また、地中埋設するより、簡単・迅速・確実・経済的に設置できます。
- 建築物屋根の緑化工法
- ジオウエッブの展開は、テンションテープをセル内部に通し、アトラクリップで開口寸法を制御し固定しました。 ジオウエッブ下面にスパンボンド長繊維不織布AK200を敷設しています。
- 水害対策用の簡易堤防
- ジオウエッブ擁壁タイプを多段層に積み上げる事により、緊急の水害対策用の簡易堤防を構築できます。 従来の砂詰め土のうによる製作~積み上げよりも約5倍の速さで施工できます。 (R3タイプ1枚は、砂詰め土のう72袋に相当します)